TEACCHプログラムの概要

TEACCH −Treatment and Education of Autistic and Comunication handicaped CHildren−

TEACCHとは、「米ノースカロライナ州で実施されている、自閉症等コミュニケーションに障害のある子供達やその家族への包括的対策プログラム」の名称です。
個別教育計画(IEP)を作成し、「構造化された環境で認知発達を促す訓練をする」というコンセプトにしたがって行われています。ノースカロライナでは、このプログラムの効果で95%以上の人が地域社会の中で暮らすことに成功しています。

基本理念

自閉症児・者が施設で生活するのではなく、それぞれの地域社会のなかで自立した生活を営むことができるようにする。

TEACCHプログラム は、不適切行動に焦点をあてるというより、適切な技能を発達させることを強調している。

自閉症の人自身の適応力を高めると同時に自閉症の人にとって理解しやすい環境を操作する(構造化)とゆう2つの方向からのアプローチの相互性を重視している。

TEACCHプログラム の7つの原則

  1.  子ども達の適応力を向上させていく
    • 色々なスキルを向上させる。
    • 子ども達をとりまく環境のほうに働きかけ、子ども達の欠陥を補っていく。
  2.  療育に対して親が共同治療者として協力する
    • TEACCHプログラムでは、たえず親達の意見に耳を傾け、それをプログラムにいかしていく。
  3.  教育プログラムはそれぞれの診断と評価に基づいた、個別的なものでなければならない
    • TEACCHプログラムで開発したフォーマルなもの(CARS,PEP,AAPEP等)と、インフォーマルな日常的な行動観察等の評価も組み合わされて実施され、生かしていく。
  4.  構造化された教育を行う
    • 子どものまわりの環境を適切に構造化することが、学習の効果を上げ発達上の欠陥をおぎなう。
  5.  子ども達のスキルを効果的に向上させるとともにそれぞれの欠陥をそのまま受け入れる
    • 欠陥を認識し、子どもの適応を向上させていく。
  6.  認知理論と行動理論を組み合わせて使う
  7.  療育者はジェネラリストでなければならない
    • 家族の参加を得ること、評価、構造化された教育法、行動管理、コミュニケーション.スキル、社会生活上のスキル、余暇に関するスキル、職業訓練、自立訓練、等の多領域の役割を果たせるスタッフであること。

構造化された指導

  1. 物理的構造化;今、何をするべきかをエリアでわかるようにする。(教室内の机や戸棚の配置)
  2. 視覚的に構成する;自分で判断して行動できる。(絵や色、文字による指示)
  3. スケジュールの構造化;タイムテーブルを予告する。(個人レベルに合わせたスケジュール)
  4. 教師の構造的配置;教師が適切な位置にいることが、課題への取り組みや適切な反応をひきだす。
  5. データ;評価するのに必要、課題が適切か判断するにも、もちいられる。

スケジュールの提示法

時間の概念が困難な症児に、いつ、どこで、どのような活動をすればよいか理解させる方法。

一人ひとりに理解できるよう工夫されたスケジュールを提示して次に何がはじまるのか、期待される活動はどのような順番で起こるのかを明確に知らせることが重要となる。

  • 全体スケジュール
  • 個別スケジュールパート.デイ.スケジュール(1日の一部分だけがしめされている)フル.デイ.スケジュール(1日の活動のすべてがしめされている)オール.デイ.スケジュール(週の特定の曜日しかない活動を示す)

個人の能力レベルを考慮して理解されやすい提示法を使って構成していく。絵などによる視覚的手がかりを有効に使用する。
年齢と個人のニーズにより個別、集団、自習、遊び、余暇のバランスをとる。

ワーク・システム

目的…一人で課題学習や作業に取り組むことができる。

なにを、どのように、どのくらい、すればよいか、その学習が終わった後何があるかを知らせるかが個別化したワーク・システムである。

  1. 左から右のシステム
  2. 色あわせのシステム
  3. シンボルによるシステム
  4. 文字によるシステム

コミュニケーション・システム

TEACCHプログラムでは、ランゲージ(言語)・スキルではなく、コミュニケーション・スキルを教えることが、もっとも重要な特徴である。

レベル1.

泣いたり、叫んだりして要求を表わす。

レベル2.

ジェスチャー(指さし、人をつれていくといった、直接行動)

レベル3.

物を使って示す

レベル4.

絵カード、写真を使う

レベル5.

文字を使う

レベル6.

サイン言語

レベル7.

表出言語(一般の人にとっても、わかりやすく非常に良い方法)

子どものコミュニケーション能力を把握し、個別的な指導目標となるコミュニケーション・システムを選び、低機能の 症児には、言葉にかわるコミュニケーションをえらび、高機能の症児には、獲得しているコミュニケーションをより社会的かつ相互的なものにしていくことが、 重要な目標になる。

(※セマンティック・カテゴリー=その言葉がコミュニケーシュンの中でどのような意味で使われているかということ。)

将来の可能性のために

  1. できる限り広く理解されるようなコミュニケーション・システムを身につける。
  2. 一人でスケジュールや日課に従うことができる。
  3. 出来る限り高度なワークスキルを身につける。
  4. 適切な社会的行動と対人行動を身につける。
  5. 身辺処理の自立。
  6. 余暇時間にためのレジャースキルを身に付ける。

以上がTEACCHプログラムのコンセプトと概要になりますが、自閉症児のご家族の方には、是非日本で出版されている書籍などで正確な知識を得られることをお勧めいたします。

参考書籍


自閉症児のためのTEACCHハンドブック―自閉症療育ハンドブック

(学研のヒューマンケアブックス): 佐々木 正美


自閉症のコミュニケーション指導法―評価・指導手続きと発達の確認

リンダ・R. ワトソン, エリック ショプラー, キャサリン ロード, 厚地 友子, 神尾 陽子, 金野 公一, 内山 登紀夫, 幸田 栄


幼児期の自閉症―発達と診断および指導法

エリック ショプラー, マリー・M. ブリストル
Copyright© 2017 Infocharge Inc. All Rights Reserved.